口腔前がんとは
口の中にできる癌は口腔癌と呼びますが、'口腔癌'と書いて医学的には'こうこうがん'と読まず'こうくう
がん'と読みます。この中には舌の癌(舌癌―ぜつがん)、舌と歯ぐきの間にできる癌(口腔底癌―こうくうていがん)、歯ぐ
きの癌(歯肉癌―しにくがん)、頬の内側の粘膜にできる癌(頬粘膜癌―きょうねんまくがん)、口の上ブタ(天井)の部分
にできる癌(硬口蓋癌―こうこうがいがん)が含まれます。
これらの中でもっとも頻度の多いものは舌癌ですが、全て合わせても全体としては全癌の1〜2%しかありません。
症状
一般的には初期の癌では痛みや出血などはなく、硬いしこりが触れるのみの場合が多いです。なかなか治らない口内炎の場合も注意が必要です。
実際に自分の口の中にある病変が良性か悪性か心配の場合はご自分で触ってみると良いでしょう。他の部分と違って明らかにその部分が硬く触
れる場合は悪性の腫瘍の可能性がありますので、専門医の受診をお勧めします。目をつぶって触ってしまうとどこにあったかわからなくなるほどのやわらかいしこりは悪性の可能性はまずないでしょう。舌癌の好発部位は舌の両脇の部分で、尖端や真中の部分にできることは少ないです。
また舌の奥の方には有郭乳頭や葉状乳頭とよばれる正常の突起物もありますが、これらを癌と勘違いする方もいらっしゃるようです。
その他上ブタ(天井)の部分や下の歯くきの内側には正常な骨の突起があり、これらも癌と勘違いされることがあります。進行癌ではしこりが外側
に大きくなる傾向のものもあれば深部に入っていくものもあり、特に後者の場合は以外に進行しているものが多く、潰瘍を形成して痛みや出血が出
現することがあります。
さらに増大すると言葉が喋りづらくなったり食事が取りづらくなったり口が開かなくなったり、また癌が頚部のリンパ節に転移しあごの下や首のリ
ンパ節の腫脹をきたすことがあります。
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